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2種類の「ハッキリ」

2種類の「ハッキリ」

今回は、本来生徒様にお話しないほうがよいのかもしれない・・
という葛藤を持ちながら思いきって書くことにしました。

ゆっくりハッキリに2種類あるという話です。

ハッキリ話すのに種類があるわけないと思いませんか?
・・それがあるんです。。

生徒様向け「ハッキリ」とネイティブ向け「ハッキリ」

英語を、ゆっくり、ハッキリ、話すことで、日本語に切り替えることなく
生徒様に理解してもらおうとすることがあります。

日本語の単語でヒントを言うこともありますが、
できるだけ英語は英語のままご自分で理解していくことが大切だと思いますので
単語やセンテンスを ゆっくり ハッキリ もう一度お伝えします。

・・・そのときです。

生徒様にわかるようにハッキリ言うときは、単語と単語の間にポーズを入れて
子音まで聞こえるようにします。

カタカナのような発音をすればすぐ伝わるのはわかっているのですが
さすがにそれは英会話レッスンでタブーですので
ひとつひとつの発音は正しくお伝えします。

すると大体の方が、「あ~」と、ひらめいたりわかったりするのですが
実はこの ゆっくり ハッキリ の方法は、ネイティブに対して同じようにやると
むしろ伝わらなくなってしまいます。

ネイティブに ゆっくり ハッキリ 伝えるときは
(電波が悪い、大きな音の中にいるなどの事情で)
単語と単語は繋げ、必要な場所でポーズをとります。
子音は必要以上にハッキリ発音せず、イントネーションの山の部分を大きくします。

例えばこんな感じです。

Do you want to have a drink?
と伝えたいとします。

生徒様向け ⇒ どぅ ゆ わんとぅ はヴ あ どぅりんっ
ネイティブ向け ⇒ どぅゆわな はヴぁ どぅりん?


この違いは、もしもネイティブにPlease speak more slowlyなどと
頼んでゆっくり言ってもらっても
結局なにを言ったのかわからなかったりする理由のひとつだと思います。

ただ、これは悪いこととは私は思っていません。
単語ごとにわかるように言うことで単語や文法が理解できる段階にいるだけのことです。

知っておいたほうがよいのは
ネイティブの ゆっくりハッキリ はときに違うということなんです。


レッスン以外で英語を話す機会のある方は
特に心に留めておくと良いかもしれません。

"good" "let's correct" の指示

私がレッスン内で一番気をつけているのは
「OK」と「修正」の指示をハッキリさせること。
例えば、ひとつセンテンスを作って声に出してもらったとします。

文法が間違っているときはそこを「修正」する指示を出します。
正しい箇所、さらに自然な良い箇所についても取り上げてお伝えします。

発音やイントネーションも直したほうが良い場所は指摘し
良く出来ている場所は良く出来ていることをお伝えします。

私の知識や力も完璧なわけではありませんから
”教える”ことが恐れ多く感じることが正直多々あるのですが・・・
私にできることは、「良い」箇所と「修正」箇所の指摘をすることだと
意識しながらレッスンを進めています。


後は生徒様自身がそこから学び取り吸収していってくれるものだと
そう思うのです。


大人同士で、”先生”と”生徒”の立場になるとき、たまに起る問題点に
へんに気を使ってこの指摘を避けてしまう、というのがあります。

間違いを指摘して相手が気を悪くしないか、大人を誉めるのもためらいがある、
それもわかる気はしますが、どちらも何かを習得するときには不可欠なのではないかと
私は思うのです。

先日、別のジャンルで教える仕事をしていらっしゃる
生徒様からとても嬉しいコメントをいただきました。

「先生はただ誉めるだけでもなく、ただ厳しいだけでもなく
しっかり生徒をみていてくれて先生向きのタイプですね!」

とても光栄に感じると同時に私の心がけに気がついたこの方のほうが
私からすれば「よく見てるな~」と感じました。

レッスン内でインプットできることは限られています。
しかしながらレッスンで習得した、なにが "good!"  で
なにが "Let's correct." なのかは
応用していけるものだと思います。

是非 "Let's correct." で落ち込まず
"good!"で恥ずかしがらずに受け入れてみてください!

『英語の聞き流し』の効果

本を使って覚えていくと極端な方では
「あの本の前半のページの右上にあった単語」ということだけ覚えていて

肝心の単語を忘れてしまった!というケースが以前ありました。。
これでは生きた英語を覚えることができません。
(なので今はリストや本をつかって単語を覚えてもらうことは実施していません。。)

紹介した”連想”の方法を実践して、是非使える語彙を増やしていってください!
さて今回は『英語の聞き流し』の効果についてお話します。

ちまたには「繰り返し聞き流すだけで英語が話せるように!」
という類の広告がとても多くありますが、みなさんはこれ信じますか?
とても魅力的な響きではありますが・・・

私の意見は・・・・

残念ながらこれはありえません。。。
聞き流すだけ、ではただの雑音です。
雑音をどれだけ繰り返し聞いても意味がありません。


ただし!
聞き流しに効果がないわけではないのです。
そこが今回の学習法です。

聞き流すだけでは英語は話せるようになりませんが
話せるようになるために聞き流しをすることは効果があります。
それだけやっても意味はありませんが
他の学習と組み合わせることで大きなひと押しにはなるのです!


いわばサプリメントのようなもの。
ダイエットするなら『飲むだけ』じゃ効果は期待できないのと似ているかもしれません。

では効果的な聞き流しをするにはどうしたらよいでしょうか。

高額のCDセットを購入する必要は全くありません!!!

===『英語の聞き流し』を効果的に行うコツ===

・学習用のものではなく、ニュースやドラマなど通常のスピードのものを使用する
・字幕は消す
・興味をもてる内容を選ぶ
・同じものを繰り返し聞くのではなく次々新しいものを取り入れる

聞き流しは潜在意識に働きかけます。
覚えていなくても頭のどこかになんとなく記憶されることが目的です。
細かいところを理解できなくても英語のリズムが脳みそに蓄えられます。
これは意識しないところで確実に役に立っていきます。

まだ初級の方でも早すぎることはありません。

素材は下手に学習用のものではなく、CNNのニュースや好きな海外ドラマでOK。
テレビや映画、Youtube などを活用してください。ラジオでもいいですね!

ただし字幕は必ず消してください。
字幕があると、意識が日本語の文字に集中されます。
私の経験から言うとそれでは効果はほぼなくなってしまいます。

”わかり易いもの” と ”わかり難いもの” が並んでいたら
無意識に脳みそは”わかり易いもの” の方に集中します。

字幕を読んでいる間、英語は雑音にしかなっていないのです。
”わかり難いもの” しかなければ脳みそにチョイスはありません。
なんとか理解しようと英語に集中しはじめます。

たとえ意識していなくても、です。
海外ドラマが好きな方、是非字幕を消して観てみてください。
字幕を読んでいる間はただの映画鑑賞ですが
字幕を消したら英語学習の時間に早がわり!

・・・逆にどんなにたくさんの時間英語のドラマなどを見ていても
字幕を読んでいる限りほぼ勉強にはなっていません。

ちなみに日本語と英語が交互に流れる学習教材では
日本語の方だけを暗記してしまったという話もあります。。
同じ理屈ですね。。

英語のキャプションについてもできれば付けずに。
もし2回目をみるならその時にオンにしてください。

また、聞き流しは多読と同じでインプット量に重きが置かれます。
しっかり記憶・理解するのが目的ではありません。

そのため繰り返し聞いたり観たりする必要はありません。
違うもの・新しいもの、をどんどん耳に入れていってください。

耳のいい人なら
「あれ、このセリフの言い回し、前もなんか他で聞いたことあるな」
「あ!またこの単語言ってる!どんな意味なんだろう・・・」

などという現象が起ってきます。これが出たらバイリンガルの扉を開けたも同然。
英語への反応がどんどん良くなるはずです。

というわけで「繰り返し聞き流すだけで英語が話せるように!」はなりませんが、
聞き流すことで英語を上達させることはできます。
通勤に学習用の音声を聞いてらっしゃる方は
たまにこの聞き流しの方法で違う素材を聞いてみてください。

聞きなれてしまった音声はちょっとお休み。
是非実践してみてください。

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