ダッカの周囲には村(village)が複数存在していました。
要するに集落が点在している感じです。
ひとつひとつが遠くはありません。
バングラディッシュに『農業国』という印象が実際行くまでありませんでしたが、さまざまな野菜・果物そしてお米が作られていて、田園風景が広がっています。
日本では田んぼが広がる風景ではせいぜいおばあちゃんがひとりふたり作業しているのを見るくらいですが、バングラのマンパワーはすごい。
どの風景でも結構な人数が同時に畑作業をしています。
マンパワーがあるので機械を一切使っていません。
手がかけられる分、肥料も化学肥料ゼロ。
牛の糞を丸めたオーガニック肥料があちこちに干してあります。
そのため、野菜・果物は季節ものに限定されており、味の濃い素晴らしい野菜・果物が収穫されますが、季節によって食べることができないものが存在します。
一年中同じものが手に入ることに慣れてしまっている私たちにはその事実だけでもちょっとした感動ですね。
化学肥料なしにどうやってあんな立派なものが作れるのか・・・
びっくりするほど立派なのです。
きゅうり(cucumber)
なす(eggplant)
キャベツ(cabbage)
カリフラワー(califlower)
ぶどう(grapes)
ザクロ(pomogranate)
玉ねぎ(onion)
にんじん(carrote)
じゃがいも(potato)
しょうが(ginger)
ライム(lime)
バナナ(banana) など

狭い範囲にものすごい種類の野菜・果物が育てられていました。
あんなのどかな風景、澄んだ空気、野生動物と家畜、同じ空間で平和な雰囲気を醸し出している光景は生まれて初めてみました。
肉もオーガニック、村で作られています。
つまり、
牛(cows)
羊(sheep)
山羊(goats)
鶏(chickens)
鴨(ducks)
畑の草を食べて農業を手伝った後、食卓に出るサイクルになっているのです。

食肉の話はまた別に触れるとして、村はホセインの結婚式でお祭り騒ぎでした。平屋の大きな煉瓦の家や木の小さい家、テレビでみたことがある海外の僻地の感じで、そこにクリスマスのようなイルミネーションやデコレーションがあちらこちらにされていて、村全体の大イベントにわいていました。
そこへ登場した外国人の私。
村にはゲストが来ることがほとんどありません。
お祭りに上乗せで大騒ぎになりました。
有名人でも来たかのように写真を一緒に撮って欲しいとなんと列が出来るほど。

さて、食べ物の話に戻ります。
私は今までのキャリアの中でバングラ人がいない職場環境がいちどたりともありませんでした。
なぜか必ずどの職場でも仕事でもバングラディッシュ人っていたのです。
バングラ料理といえば、昔の同僚サルカールさん(今思うととても一般的な名前、Shukul ”しゅかーる” だったのかも)の作るカレーしか印象がありませんでしたが、今回現地で出されるもの出されるもの本当に美味しくて、農業大国フランスに行ったときの食べ物のおいしさへの感動レベルを大きく超えました。

ウェルカムプレートみたいなものをホセインの家族が出してくれました。
果物が何種類もごっそり乗っていてみたこともない果物もありました。
なんて名前だったか、ミニリンゴみたいな形で歯応えもリンゴっぽいんですが味がバターっぽい味 (buttery) なんです。
フルーツ全て味が濃い!苦味が少なく甘い!さわやか!
ただ糖度が高いだけではないのです。
畑をちょっと散歩 (stroll) して作っている野菜を見せてもらいました。
ふと畑へ入った村人がきゅうりを手に持って戻ってきて手渡してきて、彼らのインストラクション通り土を払ってかじって食べました。
土がついているだけなので洗わなくてもOK。
化学肥料を使っていないので水洗いの必要がないそうです。
あんな旨いきゅうりほんっとに初めて食べました!
後日、食事の際に洗って切ったきゅうりも頂き、その際は「軽く塩つけても美味しいよ」、と塩を出してくれましたが、まるかじりはよりおいしかったと思いました。


天然スポーツドリンクも頂きました。
デーツジュースです。
デーツが収穫できる季節だった為、おじいちゃんが木に登って収穫してきたものをすぐ絞って濾し、半透明の液を抽出。
それをみんなで順番に頂きました。
コップになみなみ入った半透明のジュース。
それをぐっと飲むんですが、これ糖度が高いからか、ドリンク材のようにやたら元気が!少しすっぱさもあり本当にまるでスポーツドリンク。
元気が出た後の利尿作用にも注目!
健康効果は確実に高いものと感じました。
お酒が禁止されているイスラム教の国バングラディッシュ。
人々は紅茶をショットグラスのようなコップに入れて頻繁に一緒に飲んでコミュニケーションを取ります。
これがまたレモンと生姜が入っていて感動もの!
ミルクティーを選べばまたこれが、牛乳が新鮮で濃いので、高級なロイヤルミルクティーのような味がします。

イギリスに植民された歴史もあるバングラディッシュ。
そこからこの紅茶の習慣が始まったのかもしれません。
到着当日はターメリックタッチ (tarmeric touch) という儀式がありましたがそれは別の記事で触れるとして、その日の夕飯に出されたお祝い事に必ず登場するというディッシュを紹介したいと思います。
まず、バングラディッシュでは食事は右手を使って食べ、基本スプーンフォークなどは取り分けにしか使いません。
大皿のプレートにまずご飯をごそっと盛ります。
ご飯はいわゆる『タイ米』”Basmati rice” で、細長くて日本のお米よりパラパラしています。
その上におかずをちょっとずつ乗せていき、指でこねこねしながら食します。
食べ物の触感も味わうこと、そして先にこねることで消化を助けるのだそうです。
・コールスロー的なサラダ
・マッシュポテトのようなもの(おそらくひよこ豆的なものも入っていた)
・白身魚のフライ
・チキン(手羽)
・ビーフカレー
とにかく食材が新鮮でオーガニックなので味が濃いのです。
味がしっかりしているにも関わらず塩気が強いということもありませんでした。

デザートにはヨーグルト的なもの。
杏仁豆腐にも少し似ていました。
食事が終わるとだいたいみんなふらふらと立ち飲み屋のような紅茶を提供するスタンド(というより道端の小屋ですが)へ出向きます。
そこでは焼き菓子系 (baked goods) も売っていて、これがまた旨い!!!のです。
小麦粉でなく米粉を使っているのでやたらサクサクです。
牛乳も新鮮だからでしょうか。
砂糖もさとうきびを収穫して作っているからでしょうか。
とにかくおいしいのです!!!
パンも、クッキーも、マドレーヌのようなものも。
お茶の小屋ではお餅のような調理おやつも提供しています。
白玉粉を溶いたようなタネを(これも米粉だそうです)火の上の半月状のフライパンに流し込み、ホットケーキのようにぷっくりさせます。
そこにマスタードの葉でつくった佃煮のようなものを乗せて食べます。
食感はおもちに近かったです。

私は食べるチャンスがなかったのですが、マスタードの葉っぱにスパイスを入れて巻いてむしゃむしゃ食べている人もよく見かけました。
このような小屋はかなりの数存在し、市場もどの集落にもいくつかあり、さながらスーパーのような感じ。
何を買うにも食べるにも、どれをとっても100タカ(=約130円)はしません。
数十円の世界です。
村人同士であると特に現金を介さず、物々交換することもしばしばだそう。
書いてある値段をスキャンして電子マネーで支払う、我々の生活とものすごい違いですね。
ちょうどホセインの村でフェスティバルがあり、それにも行くことができましたが、屋台で売っているお菓子も激しくヘルシーでした。
パクチーとオニオンをベビースターのようなものに混ぜて炒る、ベビースターでなくてライスパフみたいなもの版もありました。


あとは野菜のピクルス。といっても甘漬けで、ドーナツやチュロスっぽいもの、綿飴 (cotton candy)を丸い石鹸くらいの大きさに畳んだものもありました。
これも美味しかった!ココナツの味がしました。ああ、もう一度食べたい。
市場では日本でも有名な『サモサ』も売っています。
サモサを売っているようなところでは奥に席がついていてイートインも可能。
ピタの皮にカレーっぽい豆とスパイスの効いたトッピングをつけて食べましたが、このピタが・・・うまい。
表面パリパリなかもちもちで。
考えただけでもう一度食べたい!!
インドでは『パニプリ』、バングラでは『フシュカ』。
これもまた素晴らしく美味しく、現地でも人気の食事だそうです。
小さな容器型のパリパリの中においしいものを詰めて、少し酸味のあるソースを付けて大口開けて一口で頬張ります。
ソースもいえばどんどん追加で出してくれる鷹揚さも日本ではない光景だなーと思いました。

夕飯に『ビリヤニ』を頂いた日がありました。
ビリヤニは東京でも手に入るので帰国してから3日間、近所のバングラ人がやってるお店へ通い詰めましたが、素材は当然こっちのものなので満足度は7割くらい・・・でした。
あの素材、水、空気、が作っていたんでしょう。
お腹パンパンで就寝しても朝起きるとスーっと消えていてお腹が空いている。
快便もすごい。
あの感覚はなかなか東京生活では再現できない、かもしれません。
次回は『バングラデシュのペット事情』です!
お楽しみに!
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